クリスチャンでもなく宗教に熱心でもない私にとって、神とは何だろうと考えた時に、やはり良く解らないですね。しかし何かを感じる。それはそこに在るようなもので無いもの、無いようなもので在るもの。また見えるようなもので見えないもの、見えないもののようで見えるもの。そんなものかも知れないと考え、その事をデザインとして設計に盛り込めないだろうかと考えたのが透明なアクリルでした。ファサード(建物正面)にアクリルの格子を取り入れたのはそんな理由からでした。
地下はRC(鉄筋コンクリート)で作り1・2階は木造になっています。地下の居室にはドライエリアを作ることが法令で義務付けられていますが、床も壁もただのコンクリートの庭では味気なく、竹が好きだと言う施主の意見も取り入れ砂利と竹だけが植わっている庭にしました。夜になると1階の居間や地下の牧師室の障子に竹の影が映りとても良いそうです。地下の牧師室に付属している和室4帖は、本来は茶室として設計していた所ですが、茶室の機能を取りやめ多機能に対処できるような和室になっています。エキスパンドメタルに和紙を貼った光天井や壁の腰貼りに図面を貼ったりしたちょっと新しい和室ですが、何かとストレスの貯まりやすい施主の心休まる一部屋になってくれればと願って止みません。
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