小林英治建築研究所
建築家のエッセイ
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2004.10.7 (家づくりの会ホームページ掲示板に記述)
今日NHKが前回の台風で何故厳島神社の被害が大きかったのかを検証していた。京都大学の先生は、南からの風が山に当った事で一箇所に集まり、その風が神社の方へ大きな風となって吹き降ろす事を、科学的な実験で突き止めたと言う。また気象予報士だった人は、吹き降ろした風が神社に当りさらに山や海面に当り、風が逆戻りしてきて被害が大きくなるようだと話していた。平安時代から度々被害にあっていたようだが、原因が判らず、その都度修理して済ませていたようです。現代ではそんな事も科学的に実証されてしまうようですから大した物ですね。

私の設計した古い物は、過去の歴史的建造物に依存している事が多く、最初は畏れ多くも二条城の紫宸殿でしたが、次に厳島神社でしたので、ある感慨を持ってTVを見ました。海に這うように建ち、水面を取り込んで、まるで大海を自分の物のように従えているように見えるその姿は、まるでこの世の物とは思えず、優雅で凛とした美しさがあります。
何年か前に其処を訪れた時、いつも絵葉書などで見る海に建つ鳥居の柱が、根元が極端に太く頭の方が細くなっている原木のままで使われているのには正直ギョッとする位驚きました。あの端正で静かな美しさの中には、荒々しいものが秘められているんですね、きっと。


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